大排気量FRというだけで毛嫌いする人もいるだろう。
確かにGT-Rなどの4WDや458 イタリアなどのMRと比べると見劣りするのもわかるが、これからの日本のスーパースポーツカーはこいつを追求しなくては語れないと思う。
スペック
- 総排気量:4805cc
- 最高出力:543ps/8500rpm
- 最大トルク:47kgfm/7000rpm
- 駆動形式:FR
- 全長:4505mm
- 全幅:1895mm
- 全高:1220mm
- 車両重量:1480kg
- PP:537
今回テストに使うLFAはグランツーリスモ5で3月3日に購入した真っ新の新車である(当たり前だ)。
色はAquaをチョイスした。どうしてもLFAはPassionate Pinkを選択したくなるのだが、見飽きてしまった印象があるのでAquaを選択した。他にも候補はあり、LavenderやSky Blue、Pearl Yellowなどが候補に挙がっていた。
公称出力とゲーム内での出力に差があるが、これは慣らし運転が済んでいないためである。
AT アクセルべた踏みで計測
0-100km/h | 0-200km/h | 0-400m | 0-1000m | Max G-force | Max-Speed |
0'04.208 | 0'11.677 | 0'12.017 | 0'21.145 | 0.79G | 335.4km/h |
グランツーリスモ5の解説文に記載されている加速性能(解説文では0-100km/h加速 3.7秒となっている)よりも遅くなったが、前述するように公称出力とゲーム内出力の差によるものだと考えられる。
ぐいぐいと加速していくのはすごく気持ちいい。
計測結果ではランボルギーニ ガヤルドLP560-4 '08やアウディ R8 5.2 FSI クワトロ '09などに劣る場面もあったが、これは4WDの恩恵が暴れ牛やアウディにあるからだろう。差も微々たるものだった。
また軽さというのはやはり素晴らしい武器で、0-400mはR8に僅差で負けたが0-1000mでは0.3秒ほど引き離している。
0-100km/hは4WD勢に0.5秒ほど遅れたが、0-200km/hはR8に1秒の差をつけている。馬力、車重ともに劣るガヤルドには太刀打ちできなかったが、後輪駆動でこの数値は素晴らしいものだろう。
最高速度は解説文では325km/hとだけ書かれていたがそれを10km/h上回る335.4km/hを記録した。
グランツーリスモ5内でのF2007の最高速度が346.7km/hと聞けば恐ろしい数値であることがわかる。
加速性能ではいい勝負をしていたガヤルドやR8も20km/h以上の差をつけて圧勝している。
気が付いたら300km/hを超えていて驚いた。だいたい1800mほどで300km/hに到達できる。
スピードテストはここで終了。
次はコースを攻めることにしよう。
コースは4つ使うことにした。
- 筑波サーキット
- トップギア テストトラック
- コートダジュール
- スーパースピードウェイ インディ
- ニュルブルクリンク北コース
インディを選んだのは高速走行時のスタビリティを確認するためである。
これはサルトでもよかったかもしれない。
全てAT、ABS以外のアシストオフ、タイヤ摩耗あり、グリップ低下設定リアル、パッド操舵スピード補正7で走行している。
チューニングはもちろんのこと、オイル交換やエンジンOH、ボディ剛性リフレッシュなどは一切していない。
ABS以外のアシストをオフにしているので実車とはかなり違いが出ると思われる。
最低でも3周すればわかるだろうということでアタック開始。
・筑波サーキット
3周で十分だとか思って走ってたらいつの間にか8周も走っていた。
ベストラップは1'02.378
使用タイヤは低グリップなスポーツハードなので1分を切るにはかなりの技術が必要と思われる。
特にアクセルワークは必須。後輪駆動のためコーナーの脱出はかなりシビアだった。
最終コーナーのライン取りとアクセルワークでタイムが思いっきり変わる。今回出したベストラップも最終コーナーでミスをしており、ミスがなければ0.1秒~0.2秒短縮できたと思われる。
セクタータイム | ||||
LAP | 1 | 2 | 3 | ラップタイム |
1 | 0'15.266 | 0'19.157 | 0'29.310 | 1'03733 |
2 | 0'15.060 | 0'19.358 | 0'28.583 | 1'03.001 |
3 | 0'14.687 | 0'19.564 | 0'28.945 | 1'03.196 |
4 | 0'14.751 | 0'19.187 | 0'28.699 | 1'02.637 |
5 | 0'14.888 | 0'18.890 | 0'28.670 | 1'02.448 |
6 | 0'14.551 | 0'19.059 | 0'28.891 | 1'02.501 |
7 | 0'14.772 | 0'19.051 | 0'28.555 | 1'02.378 |
8 | 0'14.989 | 0'19.101 | 0'28.569 | 1'02.659 |
筑波サーキットでの区間タイムと各ラップタイム
タイヤの摩耗はフロントもリアも同じような減り方で偏っている印象はなかった。
・トップギア テストトラック
イギリスのテレビ番組トップギアで使用されているコース。
グランツーリスモ5ではスペシャルイベントや、元F1ドライバー デビット・クルサードのSLS AMGのタイムトライアルイベントなどで使われたコース。
ベストラップは1'17.291
リアルのトップギアのランキングボードで6位に相当するタイムというかなり優秀な数値。
低速からの脱出はシビアですがフォロースルーからバカラック手前にかけての高速区間の安定性は素晴らしいの一言
ベントレーはアクセル全開で難なく通過できた。下手にブレーキを踏むとリアが滑り出してしまうのでアクセルでスピードコントロールすると非常に安定してくれる。
またシカゴなどの低速区間でもかなり軽快に走行できたことからも、ステアの応答性はかなりのものである思う。
セクタータイム | ||||
LAP | 1 | 2 | 3 | ラップタイム |
1 | 0'34.405 | 0'20.585 | 0'24.772 | 1'19.762 |
2 | 0'34.203 | 0'20.085 | 0'24.527 | 1'18.815 |
3 | 0'33.850 | 0'20.301 | 0'24.692 | 1'18.843 |
4 | 0'33.635 | 0'20.260 | 0'24.541 | 1'18.436 |
5 | 0'33.305 | 0'20.323 | 0'24.097 | 1'17.725 |
6 | 0'32.727 | 0'20.149 | 0'24.415 | 1'17.291 |
7 | 0'33.322 | 0'20.130 | 0'24.137 | 1'17.589 |
8 | 0'33.342 | 0'20.427 | 0'24.460 | 1'18.460 |
トップギア テストトラックでの区間タイムと各ラップタイム
ここもタイヤの摩耗は至って普通。フロントもリアも同じように減りました。
・コートダジュール
・コートダジュール
グランツーリスモ5内ではコートダジュールという名称だがF1モナコGPで使われるモンテカルロ市街地コースとほぼ同じである(少し道幅が広い)。
タイトなコーナーが連続するコーナーを走ってみた。
タイムは1'48.481
参考だがフェラーリ カリフォルニアのタイムが1'57,871だと考えるとLFAの速さが分かると思う。
1480kgの重さはほとんど感じなかった。非常にステアが軽快でインに吸い込まれるように張り付いてくれる。
トンネルやメインストレートなどの高速コーナーでも安定した走りを見せてくれた。
コートダジュールでの区間タイムと各ラップタイム
6周目でがくんとタイムが落ちているが、これはタイヤの摩耗に気が付かずにオーバースピードでコーナーに侵入してしまいアンダーステアを2回も誘発させた私のミスであると言及しておく
・スーパースピードウェイ インディ
高速走行時のスタビリティ確認のためこのコースを選んだ。
ベストラップタイムは0'58.600
バンク角が緩いため300km/hを出すことはできず290km/hが限界だった。
コーナーの進入は245km/hくらいが限界速度で250km/hだと曲がり切れずにコーナー出口で壁に接触してしまった。タイムを考えるなら220km/h~230km/hくらいでインに張り付いたほうが速い。
直線でもカーブでも非常に安定した走りを見せてくれた。脱出もアクセルを思いっきり踏んだがホイルスピンせずスムーズに脱出することができた。コーナーでリアがアウト側に膨らむことを恐れていたが杞憂だった。
区間タイムと各ラップタイム
コーナーの処理の仕方でタイムががらりと変わるコースなのでタイムにかなりばらつきがある
・ニュルブルクリンク北コース
「聖地」と呼ばれるだけあって、世界有数の難関コースであるこのコース
実はLFAとニュルの関係はかなり深く、2008年はLFAのコンセプトモデルであるLF-Aがニュルブルクリンク24時間レースに出場している。このコンセプトモデルは2009年もニュルを走っている。
2010年から市販車モデルに切り替わりSP8クラスに参戦しクラス優勝している。
また販売価格からさらに700万円高くなるがニュルブルクリンクパッケージというモデル(GT5未収録)がLFAには存在しており、ニュルブルクリンク北コースを当時の市販車最速である7分14秒64を記録している。
ベストラップタイムは7'35.552
公式のラップタイムとかなり差があるが、これはエディションの違いや私のドライビングテクニック、またボディ剛性の劣化などによるものだと思われる
しゅっと止まるブレーキ、ぴったりとインに吸い付くステア、コーナーからの安定した立ち上がりなど様々な点でかなりハイレベルに仕上がっていることを実感できた
コース終盤のストレートでは300km/h越えも達成し、そのあとの複数の連続コーナーも難なくクリアできた。
また、タイヤが摩耗してもステアの感覚がほとんど変わらず驚かされた。制動距離の増加からくるオーバースピードによるアンダーステアは少しあったが、最後までキュッとインに吸い込まれるように張り付いてくれた。
区間タイムと各ラップタイム
実際は2LAP走ったのだがミスによりクラッシュし参考にはならないためあえて掲載していない
ここもタイヤの摩耗は偏りなく癖がなかった
タイトなコーナーが連続するコーナーを走ってみた。
タイムは1'48.481
参考だがフェラーリ カリフォルニアのタイムが1'57,871だと考えるとLFAの速さが分かると思う。
1480kgの重さはほとんど感じなかった。非常にステアが軽快でインに吸い込まれるように張り付いてくれる。
トンネルやメインストレートなどの高速コーナーでも安定した走りを見せてくれた。
セクタータイム | ||||
LAP | 1 | 2 | 3 | ラップタイム |
1 | 0'30.602 | 0'50.949 | 0'28.228 | 1'49.779 |
2 | 0'30.262 | 0'51.008 | 0'28.362 | 1'49.632 |
3 | 0'29.944 | 0'50.224 | 0'28.364 | 1'48.532 |
4 | 0'30.002 | 0'50.325 | 0'28.394 | 1'48.731 |
5 | 0'29.706 | 0'50.210 | 0'28.565 | 1'48.481 |
6 | 0'30.504 | 0'51.991 | 0'29.048 | 1'50.543 |
6周目でがくんとタイムが落ちているが、これはタイヤの摩耗に気が付かずにオーバースピードでコーナーに侵入してしまいアンダーステアを2回も誘発させた私のミスであると言及しておく
・スーパースピードウェイ インディ
高速走行時のスタビリティ確認のためこのコースを選んだ。
ベストラップタイムは0'58.600
バンク角が緩いため300km/hを出すことはできず290km/hが限界だった。
コーナーの進入は245km/hくらいが限界速度で250km/hだと曲がり切れずにコーナー出口で壁に接触してしまった。タイムを考えるなら220km/h~230km/hくらいでインに張り付いたほうが速い。
直線でもカーブでも非常に安定した走りを見せてくれた。脱出もアクセルを思いっきり踏んだがホイルスピンせずスムーズに脱出することができた。コーナーでリアがアウト側に膨らむことを恐れていたが杞憂だった。
セクタータイム | ||||
LAP | 1 | 2 | 3 | ラップタイム |
1 | 0'21.163 | 0'11.940 | 0'26.105 | 0'59.208 |
2 | 0'20.942 | 0'12.245 | 0'26.283 | 0'59.470 |
3 | 0'22.104 | 0'11.923 | 0'26.879 | 1'00.906 |
4 | 0'21.010 | 0'12.053 | 0'26.045 | 0'59.108 |
5 | 0'21.113 | 0'12.092 | 0'26.861 | 1'00.066 |
6 | 0'20.819 | 0'11.917 | 0'25.864 | 0'58.600 |
7 | 0'20.790 | 0'11.780 | 0'26.455 | 0'59.025 |
8 | 0'20.636 | 0'11.822 | 0'26.193 | 0'58.651 |
コーナーの処理の仕方でタイムががらりと変わるコースなのでタイムにかなりばらつきがある
・ニュルブルクリンク北コース
「聖地」と呼ばれるだけあって、世界有数の難関コースであるこのコース
実はLFAとニュルの関係はかなり深く、2008年はLFAのコンセプトモデルであるLF-Aがニュルブルクリンク24時間レースに出場している。このコンセプトモデルは2009年もニュルを走っている。
2010年から市販車モデルに切り替わりSP8クラスに参戦しクラス優勝している。
また販売価格からさらに700万円高くなるがニュルブルクリンクパッケージというモデル(GT5未収録)がLFAには存在しており、ニュルブルクリンク北コースを当時の市販車最速である7分14秒64を記録している。
ベストラップタイムは7'35.552
公式のラップタイムとかなり差があるが、これはエディションの違いや私のドライビングテクニック、またボディ剛性の劣化などによるものだと思われる
しゅっと止まるブレーキ、ぴったりとインに吸い付くステア、コーナーからの安定した立ち上がりなど様々な点でかなりハイレベルに仕上がっていることを実感できた
コース終盤のストレートでは300km/h越えも達成し、そのあとの複数の連続コーナーも難なくクリアできた。
また、タイヤが摩耗してもステアの感覚がほとんど変わらず驚かされた。制動距離の増加からくるオーバースピードによるアンダーステアは少しあったが、最後までキュッとインに吸い込まれるように張り付いてくれた。
セクタータイム | |||||||||||||
LAP | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ラップタイム |
1 | 0'49.254 | 0'36.580 | 0'30.814 | 0'55.688 | 0'40.821 | 0'27.818 | 0'53.572 | 0'38.025 | 0'31.250 | 0'45.400 | 0'22.248 | 0'24.082 | 7'35.552 |
区間タイムと各ラップタイム
実際は2LAP走ったのだがミスによりクラッシュし参考にはならないためあえて掲載していない
ここもタイヤの摩耗は偏りなく癖がなかった
・内装
グランツーリスモ5の魅力はリアルさである。それは内装にまで及んでいる。
残念ながら内装をフォトモードなどで撮影する手段は公式にはない。だがバグ技を利用することで撮影することができる。
今回はそのバグ技を利用して内装を覗いてみることにした。
運転席側から中央前
赤い内装が特徴的だ
運転席から前方
ちょっとカメラの位置が高かったようだ
実際にはもっと視界は良好らしい
メーターやその他の情報は液晶パネルに表示される
非常に視認性が高く、必要な情報が一目見ただけで認識できる
運転席側から助手席側
助手席側から運転席側
シートの間から前方
かなりゆったりとした空間
FRで2シーターなだけあって室内はかなり広い
公式で撮影できるようになれば運転席に自分のアバターを座らせることもできるのだろうか
内装についてはGT5では外観だけしかわからないがかなりいい出来だと思う
・総評
「素晴らしいの一言、だが100%ではなく99%」
こんな感じだ。
最初はFRということでGT-Rなどと比べると見劣りしていたが、今回使ってみて評価はがらりと変わった。
数値上のスペックではわからない良さに満ちている。
数値でも4.8ℓ NA V10 560psは世界的に見ても間違いなくトップクラスだが、FRレイアウトや単にトヨタだからという理由で毛嫌いしていたりする人もいるだろう。
確かに私もFRであることからあまり使っていなかった人間だが、このレビューのためのテストが終わると「なぜこんないい車をもっと使わなかったんだろう」とすっかりLFAの虜だ(笑)
各コースのベストラップリプレイをデータロガーで解析したが、シングルクラッチ式であるためシフトチェンジ時に若干のタイムラグが見られた。公称値ではシフトに要する時間は0.2秒ほどということらしく、確かに走行中はタイムラグをほとんど感じなかったのは事実である。
音も素晴らしい。V10の車は他にガヤルドなどを頻繁に使っていたが完全にLFAの音のほうが素晴らしい。低回転でも高回転でも楽しめるのもGoodだ。
99%としたのはある種の独善的な部分に欠けていると感じたからだ。もっと遊びを入れてほしかったと思う。グランツーリスモ5でLFAの遊びを感じ取れなかっただけかもしれないが、その場合は99%は100%になることを約束しよう。
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